10May
2017
2017/05/10 2019/10/03 永瀬なみコラム
そろそろ覚えなきゃ!御中、様、殿などの敬称ちゃんと使えてますか?
社会人として働き始めて最初に迷うことの1つに“敬称”があります。
前はこう教わったのに今の会社では怒られた!という人も少なくないのでは?
今回は、「御中」「各位」「様」「殿」などの敬称についてお話します。
ビジネスシーンにおける敬称の大事さ
辞書によると、敬称とは
人名や官職名の下に付けて,その人への敬意を表す語。「様」「さん」「くん」「殿」などの類。ということです。
普通に会話しているときは気にならないのに、メールや文書になると迷ってしまう人は多いでしょう。
とくに頻繁に出てくるのが、“FAX送付状”や“見積書”などの宛名ですよね。
間違っているからと言って怒鳴られることはないですが、密かに心の中でバカにされてしまうことはあるかもしれません。
さらに、結果として自分の会社の名前に傷をつけてしまうこともあります。
このように、「敬称」は小さなことのように見えても実は大事なビジネスマナーの1つです。
会社名に対する敬称
会社名に対して使う敬称は、社会人になるまで知らないこともあるかもしれませんね。
会社や学校、病院や官庁などの“組織や団体”宛の場合は「御中」を使います。
私が初めてこの字を見たのは18歳のときで、読み方すら分からず「おなか?ごちゅう?」とバカなことを言っていました。笑
皆さんご存じの通り、読み方は「おんちゅう」です。
- 「○○株式会社 御中」
- 「○○市役所●●課 御中」
「御中」と「様」は併用しない
課 須田 武郎 様
という使い方をよく見ますが、実は間違っています。
1つの宛名に対して敬称も1つだけを使うのが正しい使い方なので、宛名に人名が入っているときは
●●課 須田 武郎 様
とすると自然ですね。
プチ知識①正式な会社名
中には“株式会社と社名の間”にスペースを入れても良いのかな?と迷う人もいます。
例えば「須田株式会社」より「須田 株式会社」とした方がパッと見て分かりやすいですよね。
でも、実は商号登録では“株式会社と社名の間”にスペースを入れることはできません。
※アルファベットとアルファベットの間はOK
また“㈱”も正式名称として使うことはできませんので、正式な商号は「須田株式会社」です。
仮に相手が自社名を「須田㈱」や「須田 株式会社」としていても、こちらが宛先として書くときは略したり
スペースを入れたりせず「須田株式会社」と正式名称で書くのがベストでしょう。
同一文書を複数に送るときの敬称
例えば、年末年始休業などを知らせる文書を送付するときによく使われるのは「各位」ですね。
これはそのまま「かくい」と読みます。
「各位」という言葉には“皆さま”という意味があり、
「関係者各位」「担当者各位」の場合は
「関係者の皆さま」「担当者の皆さま」
という意味です。
「関係者様各位」は間違い
「各位」が“皆さま”という意味なので、「関係者様各位」と書いてしまうと“関係者様の皆さま”というおかしな日本語になってしまいます。
もちろん「関係者各位 殿」などと他の敬称を最後につけるのも間違い。
「ご関係者各位」はセーフとされていますが、「関係者各位」でも失礼にはなりませんので、ややこしい記載は控えた方が良いと考えられます。
もしどうしても「ご関係者」「ご担当者」としたければ、
- 「ご関係者様」
- 「ご担当者様」
プチ知識②お客様各位だけは例外
では、よく目にする「お客様各位」は間違いなのでしょうか?
本来なら間違いなのですが、一般的に浸透したことで日常的に使われるようになっているのでセーフです。
もし「客各位」や「お客各位」とすると、少し偉そうな感じがしますよね。
間違っていると知りながら使うのはどうしてもイヤ!
という人は、「お客様へ」という表記なら問題ないでしょう。
名前や役職に対する敬称
個人名宛に出す場合は、「様」を使いますし、名前が分からないときは「ご担当者様」とします。
役職に対して使う敬称は「殿」と覚えている人が多いかもしれませんが、最近は“「殿」は目下の人に対して使う敬称だ”という風潮があるようです。
つまり、昔は
「○○部 須田部長 殿」
というのが正しい使い方でしたが、今は
「○○部 部長 須田 様」
とした方が良いということ。
もし役職名は分かるけど名前は
分からないという場合は
「○○部 部長殿」
でも良いですが、風潮を考えると
「○○部 ご担当者様」
とした方が自然かもしれません。
でもこれはあくまで風潮を意識した使い方なので、
「○○部長 様」
と“役職名に「様」をつける使い方”は間違っているということだけは覚えておいてくださいね。
プチ知識③社内の上司宛は「殿」
退職願など、社内の上司へ宛てた文書を書くときには「殿」を使うのが正解です。
本来「殿」は目上の人に対する敬称だったのを、風潮に合わせて官公庁などが「様」
に変えたと言われています。
つまり“社内で出す正式な文書”の場合は本来の使い方をするということです。
ただし、社内でも「殿」は目下に対して使うという風潮を重視しているなら、その会社のルールに従った方が無難でしょう。
おわりに
いかがでしたか?
なかなか敬称について詳しく教えてくれる会社はないので、自分で勉強して使えるようになるしかありません。
もし間違っている同僚がいたら、そっと教えてあげてくださいね。
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