27Jul
2018

2018/07/27 2018/07/23 おもしろコラム

元ヒモ女の古傷が疼く!ヒモっぷりがリアルすぎる映画とは

同棲していた彼氏がヒモになっちゃった。

過去にそんな経験を持つ女性に聞きたいです。

「その頃に戻りたいですか?」

元ヒモ女の私は断言できます「絶対イヤだね」

あのモヤモヤっとした日々の心情や部屋の空気。

ときめく余地すら残されていない生活臭にまみれた関係。

ああ、思い出したくもない!
 
にも関わらず、ひどい映画を発見してしまったのでご報告したいと思います。

元ヒモ女は傷をえぐられる可能性が高いので気をつけて!




ヒモ女の心情って?


最近は望んでヒモを養う女性もいるらしいです。

でも、そんなハイスペックなヒモ女はひと握りにも満たない程度。

多くの場合はそうじゃありません。

ヒモのことをダメ男だクズだと思いつつも、

それを養うことで妙な安心感を得たり しちゃって。

惚れた腫れたの域じゃないところで寄り掛かり合っちゃって。

この先とか考えたらもうアウトみたいな。

「うちの彼氏ヒモーー!!マジ超ウケるーーー!!!」

このレベルの明るさがない限り、ほぼ全員が影のある女。

さらに、そのカテゴリーでもネガティブ寄りの仕上がり。

でもね、混沌としつつも心のどこかで

「…脱出してえ」「王子様いねえのかよ」

そういう願望も秘めているものです。

ヒモ女を卒業したら…

ヒモ女の行く末は以下の3択が相場

1.他に男ができてヒモ女を卒業

2.時間をかけてヒモを教育

3.ずっとヒモ女

最も多いのは当然1です。

社会にうまく適応できないヒモを見捨てて、自分だけ新生活に飛び込む。

その罪悪感、その後ろめたさ!
 
 
は、意外と一瞬で忘れて、サクッと記憶に蓋 をします。

共依存だろうがなんだろうが、自分の幸せを見つけたらしがみつくことで精一杯なんですよ。

むしろ、その必死さこそヒモ女の賜物っていうか。

すると、当然のように過去に対して否定的になります。

あの頃のことは思い出したくない!と。



この映画のヒモがリアルすぎる!


出典:http://uragiri.jp/
時とともに鮮明だった記憶は薄れていくし、そうなれば世で目や耳にするヒモの話題も他人事。

ヒモ女だった私はもういない!

そこをグリングリンにほじくり返す映画が「裏切りの街」です。

この映画でヒモ役を務める池松壮亮は、エグイほどリアルなヒモっぷりなんですよ!

ヒモあるあるを極限まで煮詰めて体現した、ビジュアル、仕草、言動。

「これ、私が養ってたヒモじゃない?」

そう錯覚する元ヒモ女が続出しているのではないでしょうか?

思い出したくない!と拒絶反応が強い人には勧められませんが、

正直エモいです。

その辺を詳しくご紹介します。

気合い入ってません系のビジュアル

映画「裏切りの街」に登場するヒモのビジュアルを簡単に説明します。

見た目、悪くない。

センス、悪くない。

姿勢、悪い。

ちょっとボサ系の髪型にヒゲ、くたびれ系のTシャツとジーンズ。

「ども」「うぃす」と首で挨拶するタイプ。

元ヒモ女の多くは心当たりがあるのではないでしょうか?

ヒモってこんなのが多いですよね。

清潔感こそないものの、悪くない顔とセンスが底上げ材料になって、

クリエイターっぽいといえないこともないかもしれないけどどうだろう…。みたいな。

その絶妙な脱力感に勝手に期待してしまうんですよ、ヒモ女って。

でもね、その正体ってただの貧乏なんですよねー。

ほんと、グレーなビジュアルはヒモの武器です。

なめた態度とビビり気味な視線

劇中でヒモは友人のことをこう言います。

「あいつ、マジ愚痴ばっかで疲れるわ」

劇中でヒモは彼女のことをこう言います。

「あいつが生理になるとセックスしなくて良いから安心するわ」

劇中でヒモは

不倫相手の年上女性を携帯に「おばさん」と登録します。

ヒモって、なぜかいつも上からの発言が多いんですよ。

私が養っていたヒモもそうでした。

そのくせ、打たれ弱くて人の顔色を伺うようなところがあったり。

「何か責められるのではないか」いう不安を、上から発言で取り繕っているのでしょうが、

まあ、可愛くないですよね。

「自分のせい」は絶対いやだ

劇中のヒモのセリフです。

「あっち行くと喫茶店で、こっち行くとホテルです。別にコーヒー飲みたくないですよね。いや、俺は任せますけど」
「会ってすぐ帰るってどうなんすかね、わかんないすけど。俺だって時間作ってるわけだし、わかんないすけど」

ヒモって、自己主張しておいて結論目前でバトン渡そうとしませんか?

最後の最後に「別にいいけど」「わかんないけど」「まかせるけど」「なんでもいいけど」を付けて、

俺が決めたわけじゃないってことにしたがりませんか?

ヒモ女だった当時は「お金がないから遠慮してるんだ」と思っていましたが、

この映画を観て「あ、違うかった」と気がつきました。

窮地に追い込まれるとキレる

ヒモの「追い込まれてキレる率」はかなりのものだと思います。

劇中では浮気を疑われて「軽率にそんなこと言うもんじゃねえって!」と、キレて机を蹴り上げます。

わかるわー、見たことあるわー。

この王道とも言える「俺を疑うのか」的キレ方。

言い返したいことはたくさんあるのに、怯んで身動きが取れなかったこと。

ケンカの反省をするものの、ヒモは全く気にしていないという理不尽さ。

追い込まれたヒモに振り回されただけで、何も解決しないケンカ。

ヒモ女なら心当たりありますよね?

毎日のお小遣い

これこそが心えぐられる瞬間!

劇中では、ヒモは毎日2000円のお小遣いを受け取っています。

私は経済的な余裕がなかったので、毎日800円とタバコを2本置いて仕事へ行っていました。

ヒモ女って、自分の身を削ってでも頼られたり感謝されるのが嬉しい ものです。

それは、ヒモを男性として好きだから。

でも、映画も現実も月日とともに感謝されなくなるんですよね。

それを察した後の関係は、本当にみじめなものです。

家賃や生活費などの、目に見えにくいお金よりも、

出勤時にまだ寝ているヒモのために机に置く現金。

少額でも、毎日チクっと心を刺す棘のようなものです。

これこそ、元ヒモ女が抱える古傷ではないでしょうか?
 
 

まとめ!日々に感謝ですわ

不健康な関係をどうして続けてしまうのか?

その答えを映画のヒモ女が言い当てています。

「ダラけているあなたを見て心のどこかで安心していた」
「こんなんじゃ浮気もできない、自分しか頼れる人がいないはずだと思っていた」

そうなんですよ、これってヒモ女の心情そのもの。

思い出したくないのは、過去の自分のズルさも含めて。

映画「裏切りの街」を観れば、苦しい気持ちが蘇ります。

でも「脱出できてよかった」と現状に感謝できるかも しれません。